時々、無性にイカが食べたくなる。刺身良し、塩辛良し、煮物良し、焼き良し。
イカはオールラウンドプレイヤー。
イカゲームで言うところのソン・ギフンである。
お盆を終えた会津若松中心市街地は静か。蝉の声しか聞こえない。残暑厳しい中、イカを求めて歩く。イカゲームのスカウトマンが現れて
「私とゲームをしましょう」
と、徐に鞄からスルメを出して、お互いのスルメをひっくり返すゲームをする妄想に陥る。しかし「くいしん坊」という文字に目が止まり、スカウトマンとスルメでメンコ対決せずに済んだ。
「くいしん坊」
呼んだか?俺を
メニューを見渡すと「イカのバター焼き定食」があるではないか!俺の全てをそれに賭けるべく、迷わずそれを注文した。福々しい笑顔の女将さんの微笑み。それはブラフなのか?中合デパート跡の広過ぎる東邦銀行の駐車場と、神明通りアーケードの背骨を眺めながら、イカのバター焼き定食を待つ。近頃の異常気象の影響でイカとはだいぶご無沙汰だ。
静かな街を眺めると、牧歌的シュールさのイカゲームのテーマ曲が脳内に流れる。
「はいお待たせしました〜」
女将さんの微笑みは限りなく優しく。イカのバター焼きと、アサリ汁、ひじきの煮物、たくあんと白菜の浅漬け、白飯。少し遅れて
「これもどうぞ〜」
と、色鮮やかな小茄子の漬物がテーブルに置かれる。おおおおお、これはいい。




白飯の上にイカのバター焼きと小茄子の漬物を乗せてしばし眺め、幸せな気持ちになってきた。
イカバターを食べ白飯を口に含み、小茄子漬けを齧る。これがなかなか素晴らしい相性ではないか。コップ酒を片手に今日という1日を終わらせてしまいたいような気持ちになってくるが我慢。飲んじまったらお盆後に溜まったデスクワークに差し支えが出る。
「456番、脱落」
のアナウンスがコールされてしまう。しかし俺は勝った。
白飯とイカバター焼きと小茄子漬けで幸せを勝ち取ることが出来た。
| 店名 | 和風れすとらん くいしん坊 |
| 住所 | 会津若松市中町4−31 |
| 営業時間 | 不定休 |
| 電話 | 0242-26-8239 |









































































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